• 清水かおり

清水かおり〜春夏秋冬わたしのお寿司〜

独活ばら寿司

お寿司作りが大好きです。

とりわけ、祖母や母が事あるごとに作ってくれた「ばら寿司」が私のお寿司作りの原点です。

甘辛く煮た人参やごぼうや乾し椎茸、季節によってはタケノコや酢蓮根などがたくさん混ぜ込まれたすし飯に、錦糸卵やサヤエンドウ、時には魚のでんぶや茹でた海老などが彩りよく乗っかった、どこか庶民的で郷土色豊かなばら寿司は、お雛祭りやお誕生日のちょっとハレの日のご馳走として私の「思い出の食卓」にたびたび登場してくれます。

ばら寿司とちらし寿司、呼び方だけが違うのかそれとも全く別物なのか、あんまり意識はしてこなかったのが、つい最近になってハッと違いに気がつきました。

「ばら寿司はすし飯の中にたくさん具材が混ざっているが、ちらし寿司のすし飯にはほとんど何も混ざってなくて、代わりに大きめの魚介類が豪華に上に乗っている。」

もしかしたら、そんな違いはないのかもしれませんが、自分で頻繁にばら寿司を作るようになってから、ふと、お寿司屋さんで頼んでもらったちらし寿司のすし飯が白いことにがっかりした、そんな小さい頃の記憶が蘇ってきたのです。

おばあちゃんのお寿司の方がおいしいな。 そんな風に思った記憶。

 

なので、私が作るお寿司は、「ちらし寿司」でなくって「ばら寿司」って勝手に呼ぼう、そんな風に決めました。

ちょっぴりおめかししているけれど、食べてみるとどこか懷かしくてでも新しい。

これが私のばら寿司です。

春夏秋冬、季節に応じて

他のお料理の場合と同じく、お寿司を作るときにも私にはひとつの決め事があります。

 その季節に応じた食材を使い、その季節に応じた彩りを映し出す。 

 

もちろん時にはこの決め事から外れることはあるものの、これを守って作っていると、お寿司たちはその時々の季節を味方につけて美味しく美しくできあがってくれるから不思議です。

私の好きな季節の色を少し紹介してみましょう。

  • 早春は黄色と若草色や萌黄色。ちょうどこの頃から少しずつ出回り始める菜の花のイメージです。
  • 3月に入ると、桜色や桃色が加わって、1年でいちばん可愛くて華やかなばら寿司ができあがります。
  • 新緑や夏の季節には、色とりどりの緑色のバリエーションで、見た目に爽やかで涼しげなお寿司を作ります。
  • 秋には紅葉の真っ盛りの頃にピタリと照準を合わせて秋の彩りのばら寿司を作るのがもう20年来の暮らしごと。茶色をベースにシックな赤や深い橙、少し褐色を帯びた黄色・・・日本の四季をありがたく思う瞬間です。
  • 冬は、柚子の黄色と大根や蕪の白のイメージ。根菜の茶色系の彩りの中に、雪のような白はひときわよく似合います。

お寿司作り 私の基本

基本のすし酢

 酢:砂糖:塩 = 6:4:1  

米2カップ分に対しては、酢が大さじ3 砂糖が大さじ2 塩が大さじ1/2 の割合です。

これをベースに、酢を柚子果汁やレモンやライム果汁、砂糖も黍砂糖や甜菜等、みりんなどにその時の好みに応じて置き換えます。

基本のすし飯の具

 乾し椎茸、ごぼう、にんじんが基本の3種 

だし11/2カップ 酒大さじ2 みりん大さじ4 醤油大さじ3〜4 の割合で上記の3種の具を汁気が無くなるまで煮てさまします。

上に乗せる具材が野菜メインの場合には、すし飯に混ぜる具材をできるだけ多くしてしっかりした味がすし飯から出るように工夫をしています。

半切り寿司具

お稲荷さんの味つけをした薄揚げの刻み、ひじき、時には奈良漬けやいぶりがっこ、和洋のハーブなどなど混ぜて、一口で色んな味が楽しめるように、「今回は何を混ぜてみようかな?」と考えるのもばら寿司作りの楽しさです。

季節のばら寿司

春のベジばら寿司

 

春ベジちらし

女子会へのおべんとう仕立ての春のベジばら寿司。乗せている野菜はさっと塩茹であるいはさっと甘酢にくぐらせたもの。ご飯は五穀米、具材はみじん切りに。ディルとチャービル(セルフィーユ)を混ぜ込んでいます。

春のベジばらとりわけ

取り分けたところ。これくらいたくさん具材がすし飯に入っているので、乗っている野菜に味があんまりついていなくても大丈夫。

茨木特産 三島独活を使ったベジばら寿司

 

独活ばら寿司

生でも食べられる絶品の三島独活を使った料理会で披露した三島独活のばら寿司です。

独活を輪切りにして、かわいさをアピール(笑)春らしいうきうきした気持ち、表れていませんか?

 

桜舞い散る季節のばら寿司

 

桜花びら寿司

桜の花びらが舞い散る季節に必ず作るばら寿司を野菜だけで作りました。

一皿アレンジは・・・ 玄米で作りました。

一皿アレンジ

お弁当にも・・・

桜弁当

ここでは、すし酢を赤酢にして、すし飯をほんのり桜色に染めてみました。

自分だけのお弁当なのに、楽しみは尽きません(苦笑)

初夏から夏の涼やかばら寿司

 

夏ベジ寿司

暑い夏に、ばら寿司はちょっと・・・と言うときには、すし酢に柑橘果汁をたっぷり使い、夏の野菜をふんだんに乗せて目にも舌にも涼やかな演出を考えます。

特に、ライムや走りのすだちを使うとキリリ、サッパリの酢の具合。夏の和ハーブのみょうがや大葉に洋のハーブもすし飯の具材にたっぷり織り交ぜて。

ベジばら弁当

 

深まる秋の紅葉ばら寿司

 

秋ばら寿司

秋は紅葉。しかも落ち葉。

この時期にしか作らない、ばら寿司があってもいいですよね。

ちょうどこの頃には金時人参が出回り始め、紅葉の赤を上手に表してくれるのです。ですが、この写真を撮った2016年の晩秋は、残念ながら金時人参の赤さはまだまだ。

すし飯にも、基本の具材の他にしめじや生椎茸、ひじき、れんこん、金胡麻を加えました。

上に散らしているのは、素揚げにしたそうめんです。晩秋の散歩道に、落ちていそうではありませんか?

 

柚子の香りの冬の蒸し寿司

 

柚子蒸し寿司下ごしらえ

「蒸し寿司」も祖母から母へ伝わってきたわがやの伝統のお寿司です。

と言っても、敢えて蒸し寿司を作るというのではなく、余ったばら寿司の翌日の活用法。

それでも、寒い日の朝ごはんとして蒸し寿司を食べてから、ちょっとあったまった心と身体で学校へ行く、その思い出は蒸し寿司の味と一緒に懷かしく思い起こされます。

柚子釜の蒸し寿司は、ちょっぴりごちそう風。

蒸籠の蓋を開けたときの柚子の香りは、冬のなによりのおもてなしです。

 

柚子の黄色を生かしたいので、すし飯はあえて淡色に。

黄色人参と乾しいたけのみじん切りを薄口醤油を使って煮上げ、仕上げに柚子皮(無農薬)のみじん切りのみ。すし酢にも柚子の絞り汁を加えました。

柚子蒸し寿司

あなただけのばら寿司を

基本のすし酢を作っておけば意外に簡単にできるちらし寿司やばら寿司なので、ハレの日にだけでなくもっと気軽に作ってみれば、色々な季節の楽しみ方ができるものです。

すし酢をいちいち作る時間が惜しい、という方は、こんな市販のすし酢を利用してみてはどうでしょう?

すし酢

スーパーに行けば、「すし酢」はたくさん並んでいます。

何を隠そう、私だって急にひとり分のお弁当にお寿司を作るときなどには、少し前までよくお世話になっていたんです。

上手なすし酢選びのコツは、裏のラベル。

すし酢ラベル

できるだけ、本来の酢と砂糖と塩、昆布以外に何も加わっていないものを選んだほうが、断然美味しく仕上がります。

これに、自分流で柚子やすだち、レモンやライム、季節に応じて柑橘果汁を加えれば、オリジナルのすし酢の出来上がり。

お弁当を作りたいけど、おかずがあんまりない、というとき、お寿司は本当に役に立つもの。

毎日の夏弁当

夏のお弁当に、ハーブとライムとスモークサーモンのさっぱりばら寿司。おかずは2品でも大丈夫!

すし酢も作り慣れれば、混ぜて少し煮立ててお砂糖を溶かしたり、みりんを煮きったりするだけの簡単調理だし、何合分ものすし飯にはかえって経済的ですが、やっぱり忙しくて億劫という人は、まずは無理をしないでこんな市販品を利用する事から始めると、だんだんとお料理のハードルが低くなって、そのうちに何でも手作りするのが当たり前の暮らしになっていくはずです。

すし飯が作れるようになれば、お稲荷さんや巻き寿司も気軽に作ってみたくなりますよ!

お稲荷寿司

茗荷とハーブの夏のいなり寿司

おかずが無い日のアボカドとインゲン、醤油糀の玄米巻き寿司

おかずが無い日のアボカドとインゲン、醤油糀の玄米巻き寿司

他でもない今の「あなたの暮らし」をほんのちょっぴりていねいに。

春から始める予定のごはん教室でも、このばら寿司を季節ごとに作ります。

どうかお楽しみに。

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この記事を書いた人

清水 かおり

だしソムリエ1級。 食卓カウンセラー。 ときどき、獣医師。 季節を感じるごはんの作り方や暮らしの工夫をみんなで楽しく分かち合うごはん教室の主宰。ていねいな暮らしはほんのちょっぴりていねいな日常茶飯事から。お料理の好きな方、苦手な方、同世代の方、若い方、ご自身の日々のごはんと暮らしごとを今よりもっとこころ豊かなものにしたいと思ってらっしゃる方ならどなたでも来ていただけます。

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