• 清水かおり

美しい早春の使者 三島独活。

三島独活をご存じですか?

「萌芽しました!!」

1週間ほど前、生産者の中井さんから、うれしい報告が届きました。

三島独活の芽が今年もようやく出てくれたのです。

三島独活 みしまうど。

聞き慣れない名前かもしれませんが、私の住む大阪府茨木市で江戸時代から栽培されているなにわの伝統野菜なのです。

かくいう私も恥ずかしながら、この三島独活の存在を知ったのは、2年前。生産者の中井さんとご縁があって知り合うことが出来てから。

独活というと、山ウドを思い浮かべる方も多いかと思いますが、この三島独活は一般的なウドとは見た目もお味も全く違います。

三島独活

初めて三島独活と対面したときに私が抱いた印象は、「まるで白無垢を纏った花嫁さんのよう・・・」でした。

光り輝くような純白、節のところだけほんのりと薄紅をさしたよう。 

しかも、採れたての三島独活は、なんとそのまま皮も剥かずに囓ることが出来るのです。独活=あくが強い、というイメージがことごとく崩されます。

どんな味かと言うと・・・ 甘くて瑞々しいそれは、まるで果物の梨そのもの。

山ウドが逞しい男性のイメージなら、三島独活はまちがいなくたおやかな女性のよう。

どうしてこんなに白くて甘くて・・・どうしてこんなに美しくて美味しいのか・・・

それは、江戸時代から続く伝統的な農法によるからです。その農法がどれだけ大変で手間がかかっているのか、三島独活を栽培する農家さんが、中井さんご夫妻ただ1軒しか残っていないことからも想像できるでしょうか?

いえいえ、三島独活を作るには、もう私たちの想像をはるかに超える途方もない労力と技術、それとあくなき情熱とが必要であることを、どうぞ中井さんご夫妻の経営されている千提寺farm.のWeb siteでご覧になってください。

千提寺farm. web site はこちら

三島独活たちは、この1軒の独活小屋の中で扉が開くのを待っています。

こうして送り出される三島独活、中井さんご夫妻のご苦労に応えて私ができることは、三島独活たちを美味しいお料理に変えること。

1年のうちでわずか2週間ほどの盛りの時期しかないこの貴重な食材をどんなふうにお迎えするか、これが一昨年からは毎年この季節の楽しい課題になっています。

三島独活 私のレシピ

  • 三島独活のばらずし 2種
  • 三島独活のにぎりずし・・・蕗の薹味噌乗っけ
  • 三島独活の酢味噌和え・・・さくらの花びらも三島独活
  • 三島独活と蓬生麩のお吸い物

  • 三島独活のばらずし
  • フレッシュ三島独活 アボカドディップを添えて
  • 三島独活とセロリと八朔のハニーレモンマリネ
  • 三島独活のアジアンサラダ仕立て
  • 三島独活とセロリの揚げ春巻き
  • 三島独活の味噌チーズ和え・・・やはり茨木北地産の黒豆味噌とリコッタチーズ
  • 三島独活とクレソンの生春巻き
  • 三島独活とクレソン、いちごの生春巻き                       いずれも 白味噌プレーンと菜の花ピューレを混ぜたもの 2種の酢味噌ソースで
  • 三島独活の菜の花酢味噌和え

なかなかオーソドックスなレシピから離れられない私です。

今年はもう少し斬新なレシピも考えたいなぁと、手元に届く前にあれこれ思いを巡らしている今日この頃ですが、あの真っ白な佇まいを思い浮かべるだけで、春の訪れを感じます。

食材に愛を込めて

さて、三島独活のことを私が思う以上に愛しておられて、ステキなお料理に変身させて下さるシェフをご紹介します。

週末にご予約の方だけのために開けられる隠れ家レストラン、「福嶋屋厨房」の入交シェフ。

前菜からデザートまですべて三島独活尽くしのコース料理は圧巻です。

福嶋屋厨房さんのfb記事はこちらです。

今年もきっと趣向を凝らした三島独活料理が堪能できること間違いなし。

他にも、京都の有名店で三島独活を食材として使われるお店がどんどん増えているようです。

これも、三島独活の美味しさ故のこと、プロの方々の一皿、ぜひ味わってみたいです。

 

なにわの伝統野菜、一体いくつわたしは知っているのだろう、そしてその栽培法を調理法を一体どれだけ知っているのだろう。

中井さんご夫妻に、三島独活に出会ったからこそ、何も知らない自分に気づかせてもらえました。

お料理を作ると言うことは、作り手さんの苦労や思いもそこに乗せて食べて下さる方に伝えると言うこと。伝統野菜であってもなくても、食材に愛を込めて、作り手さんに敬意を表してちゃんと向き合ってていねいに作ることの大切さと喜びとを、私の教室に来て下さるみなさんにもお伝えしたい、それも私のお役目だとあらためて思います。

中井さん、本当にありがとうございます。

今年も美しい早春の使者たちにまもなく会えることを心待ちにしています。

若き三島独活農家、大好きな中井ファミリーです。

最後に・・・

この2枚の写真は、一昨年、中井さんのお宅で初めて三島独活を食べたときの写真です。

一緒に食卓を囲んだご近所のレディスが慣れた手つきでささっと作って下さった、三島独活料理。

  • 三島独活と菜の花の酢味噌和え
  • 三島独活と人参のサラダ  乾燥あおさと削り節を乗せて

ハレの日ではなくケの日の三島独活料理。材料も調味料も計量なんてしないでいつもの量。作り慣れておられるからこそのこなれた味つけ。でもね、これが本当に本当に美味しかったのです。

もしかしたら、三島独活たち自身もいちばんこのお皿の中がリラックスできていたのかもしれませんね。

 

この記事を書いた人

清水 かおり

だしソムリエ1級。 食卓カウンセラー。 ときどき、獣医師。 季節を感じるごはんの作り方や暮らしの工夫をみんなで楽しく分かち合うごはん教室の主宰。ていねいな暮らしはほんのちょっぴりていねいな日常茶飯事から。お料理の好きな方、苦手な方、同世代の方、若い方、ご自身の日々のごはんと暮らしごとを今よりもっとこころ豊かなものにしたいと思ってらっしゃる方ならどなたでも来ていただけます。

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