• 清水かおり

この一夜の食卓を囲むだけのために〜札幌弾丸旅行〜

食卓1

1泊弾丸旅行敢行!

職場の繁忙期の11月に久々にできた2連休。

いくつものラッキーが重なり、1泊で札幌へ行ってきました。

「会いたい人たちと楽しい夕餉の食卓を囲むためだけに行く」というある意味とても贅沢な旅行です。

重なったラッキーとは、まずはその日に先方の予定が空いていたこと、マイレージでのフライト予約に都合の良い時間が空席だったこと、猫たちのお世話をお願いする夫の出張がその日にちょうどなかったこと。そして、訪問先のすぐ近くのホテルが空いていたこと。

 このラッキーを逃さないために早速フライトとホテルの予約をすませ、コートをダウンジャケットに替えただけのいつもの通勤スタイルと変わらないいでたちで隣町へ行くように冬の札幌にお邪魔してきました。

雪の札幌1

 私の思い出の街 札幌

 札幌は、私が大学の4年間を過ごした街。初めて独り暮らしを経験した街。

もう何十年も前のことなのに、今もたくさんの思い出が息づく大好きな街です。

 そんな懷かしい街に来たら必ず会いに行きたくなる人、訪ねたいおうちがあります。

大学生の頃唯一バイトした先の喫茶店のマスター夫妻。

お店が終わってから、毎晩のようにバイトの学生たちを自宅に呼んでおいしいごはんをごちそうしてくださったり、北大キャンパスでみんなでジンギスカンパーティしたり、バスを借り切ってお客さんを連れて遠足をしたり。いつもおふたりのまわりには慕う学生やお客さんが賑やかに集まっていたのでした。
私の大学生活の彩りは、おふたりのおかげで確実にワントーン明るくなったし、大勢で食卓を囲む楽しさも実はおふたりから教わりました。

コーヒーカップ

今もマスター宅に残っているバイト先の喫茶店のコーヒーカップとマッチ。懷かしい。

2年足らずのバイトだったし、気の利かない愛想のない私だったのに、ずっと家族ぐるみでつきあってくださり、父や母も仲よくなって、今では、札幌で働く私の息子を気にかけてもらったりと、ご縁はまだまだ繋がっています。

 私が出会う前から世界中を旅し、出会ったときには喫茶店のマスターで、そのあともまたお店をたたんで旅に出て、色んな仕事をして、もう70過ぎだよっておっしゃるマスター。 でも、人をひきつける魅力は今でも全然衰えていなくて、明るくておちゃめな雰囲気はずっと変わらず昔のまま。

 札幌駅に着いてから、理学部博物館で待っていてくれたマスターと合流し、おしゃべりしながら雪の北大構内をゆっくり北上して住まいがある北19条まで歩きました。

北大構内

南北に延びる雪の北大メインロード

 

北から南へまっすぐのびる北大のメインロードは、おふたりの40年来の散歩コース。

マスターが会社勤めをしていた頃、5時に仕事を終えて北上するマスターと缶ビールを2本リュックに詰め自宅から南下する奥さんがその道の途中で出会い、北大の芝生でふたりしてビールを飲むのが毎日の楽しみだったとか。そんなお話を聞くにつけ、「こんな夫婦になりたい」といつも憧れる私です。

かけがえのない一夜 和みの食卓

 さて、この日も夜は、心尽くしの食卓。

仕事帰りの息子もやってきて、和やかな宴になりました。

  • 手作りの水餃子
  • 北海道の魚
  • はっかくの焼き物
  • 美唄の石炭そば
  • ヤーコンのきんぴら
  • 蕪の酢の物
  • ニシンのマリネ
  • キンキの飯寿司・・・ 

美味しいものを食べて美味しいお酒を飲み、懷かしい話をして、笑ったりしみじみとしたり。 

息子とお酒を酌み交わし、おしゃべりをしているマスターを見ていると、なんだか不思議なでもどこか満ち足りた気持ちになって、巡り会った人の繋がりをあらためてありがたいと思います。

二世代にわたってお世話になるなんて、当時は思ってもみなかったこと。

食卓1

石炭そば

美唄の石炭そば

水餃子

水餃子

40年近くも前に「こんな場をいつか自分も作りたい」と私に思わせたそのままの温かな食卓がこの日もそこにありました。

当時は全く思いも及ばなかったことですが、喫茶店という一日中の立ち仕事の後に、さらに自宅で学生達のために晩ごはんを用意する、というのは奥様にとっては本当に大変だったことでしょう。

でも、きっと私たちの喜ぶ顏が見たい、という思いで毎晩のように台所に立って下さっていたんだと、後になってお会いする度に奥様のその優しさに胸がいっぱいになるのです。

 おもてなしの心って、特別な日の特別な設えの中にあるのではなくて、日々の暮らしの中でこそ相手にそっとさりげなく届くもの。 

それを私に気づかせて下さったのは、紛れもなくこのおふたりのおかげです。

本当にこのひとときのためだけに札幌にやってきて、私がこれからもずっと大事にしていたいことを改めて心に留め置くことができた最高にステキな夜でした。

記念写真

 帰りに外に出た頃には、凍てついた夜空とがっちがちに凍ったツルツルの歩道。

滑らずに歩けることまで妙にうれしい夜でした。

凍った歩道1

凍った歩道2

人の記憶の中にずっとある忘れられない食卓風景。思い出ごはん。

私も誰かの心に残るそんな食卓を用意できる人になりたいし、伝える人になっていきたい、ますますこの思い強くなりました。

 

この記事を書いた人

清水 かおり

だしソムリエ1級。 食卓カウンセラー。 ときどき、獣医師。 季節を感じるごはんの作り方や暮らしの工夫をみんなで楽しく分かち合うごはん教室の主宰。ていねいな暮らしはほんのちょっぴりていねいな日常茶飯事から。お料理の好きな方、苦手な方、同世代の方、若い方、ご自身の日々のごはんと暮らしごとを今よりもっとこころ豊かなものにしたいと思ってらっしゃる方ならどなたでも来ていただけます。

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