• 内田明子

誠意を表す、ちゃんとそこに。

2017年に入り、もう3週間が過ぎようとしています。
やっと腰を据え、ブログが書ける。
自分の思いを綴るこの時間は、私にとって至福の時です。
今年の第一弾は何にしようか…と考えながら、過去のブログ記事を読んでみました。
その冒頭に書かれていたことは、

◆一生懸命接客しても、お客さまに伝わらない(クレームがあがりやすい)
◆後輩のことを思って指導しているのに全く響かない
◆リーダーという立場でありながら、リーダーシップが発揮されずチームがまとまらない

そんな悩みを抱えた人に、必ず光を差せると思っています、と。
 
その公約?が守れているかはわかりませんが、初心にかえり、上記一つ一つをテーマに書いてみようと思います。

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一生懸命やってるのに、伝わらないのはなぜ?

同じことをやっても、相手の心に届けられる人と、そうではない人がいます。
これは、業界を問わず人と関わる仕事ならどこにでもある話。
その違いは何だと思いますか?
 
それはずばり、 誠意が伝わっているかどうか なのです。
 
飛行機によく乗られる方は、目にする光景かもしれません。
客室乗務員は、朝一の便や引継ぎの便等で飛行機に乗り込む際、ゲートでお待ちいただいているお客さまに必ず一礼をして飛行機に向かうという決まりがあります。
 
その心は、「私たちが準備を整え皆さまのご搭乗をお待ちしています、どうぞよろしくお願いいたします」というおもてなしのプロローグ。
 
いわば、第一印象はここで掴むものだと心得ておく必要があります。
しかし、残念なケースがよくあるんです。
例えば、羽田空港の12番ゲートにおいて。

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12番ゲートの向かい側は、売店です。
さあ、あなたならどうしますか?
きっと多くの方が、真正面に向かってお辞儀をする、と考えるのではないでしょうか。
 
もちろん、正解があるわけではありません。
 重要なのは、お客さまがどこにいらっしゃるかという意識の問題です。 
 
目的が「お迎えするお客さまに搭乗御礼をする」であれば、自ずと右側のベンチにお座りの方々、左側のベンチにお座りの方々。
2回お辞儀をすることになると思います。
 
目的が「飛行機に乗る前に一礼をする」であれば、何も考えず誰もいない真正面に向かってお辞儀をすることになるでしょう。
 
接客業において、何よりも肝心なのは、
 「誰のため?何のため?」この問いを常に持ち続けること。 
 
当たり前にやっていることほど、侮ってはいけません。
そのひとの「素」が見える場面にこそ、誠意が込められているかは表れるものだから。
 
この人は、自分を大切に思ってくれている。
この人は、表面だけ取りつくろっている。
 
お客さまには、一瞬で見抜かれてしまいます。
 「当たり前のことにこそ心を込められる」 
これができるかどうかが鍵だと思います。
 

「お辞儀」は使い分けてこそ意味をなす

お辞儀には、3つの種類があります。
①会釈 ②敬礼 ③最敬礼
礼儀を重んじる日本の文化では、誰しもが自然に身につけている習慣とも言えるでしょう。
 
以前、こんなことがありました。
まだ経験の浅い新人CAとのフライトで。
真面目で、誰に対しても礼儀正しく感じの良い彼女でしたが、一つだけ「ん?」と思う違和感があるのです。
 
それは、お辞儀…
 
彼女は、相手に敬意を示すつもりで、どんな場面でも最敬礼をしていました。
お客さまに「お待ちしていました」と笑顔で会釈するのが相応しい時も、「前を失礼いたします」とさり気なく場を去るのが相応しい時も。
 
「〇〇さんは、目の前の人を大切にしたいという気持ちが強いのね。それは、とっても大事なこと。そこで、一つ質問… ○○さんがお客さまにコーヒーをこぼしてしまったり、ものすごく力を貸していただき感謝を伝えたい時、どんなお辞儀をする?
 
「あ…。私、全部一緒でした。それが良い事だと思っていました」
 
彼女が、一人の接客者として成長した瞬間です。
 
 お辞儀に3種類あるのは、場に応じた「気持ち」を届けるため。 
さり気ない会釈があるから、敬礼が際立つ。
会釈と敬礼を使い分けるから、最敬礼の重みが滲み出る。
 
後日談として。
彼女は、誰よりも美しいお辞儀をマスターし、後輩たちにその違いを教えていました。
「実は私が新人の時ね…」と笑いをとりながら(笑)
本物の伝承とはこういうことだなぁ、と教えられた気がします。

その言葉の「裏側にある思い」を汲み取る

 

 
私の数ある失敗談の一つをお話しします。
お飲み物サービスをしている時、年配のビジネスマンの方にコーヒーのおかわりを頼まれました。
 
「同じカップに入れてください」
 
私は、きっと遠慮していらっしゃるんだと思い、「新しいものをご用意しますよ」と笑顔でお答えし、新しいカップにコーヒーを注いでお渡ししました。
 
すると、一気にその方の表情がくもりはじめたのです。
まずい…。
何か不快な思いをさせてしまった。
 
少し様子を伺い、勇気を出してお客さまにお聞きしました。
そしてわかったこと。
その方は、エコをとても大切にされている方だったのです。
いつもはタンブラーを持ち歩いているのに、今日に限って忘れてしまった。
せめて、コーヒーのおかわりは同じカップに入れてもらおうと思い「同じカップに」とお願いしたのに、伝わらなかった。
 
私の中に衝撃が走りました。
「新しいものをお出しするのがおもてなし」とひとくくりに決めつけていたけど、お客さまそれぞれにお考えがあり、会話や表情からそれを汲み取って 「その方の大切にされていることを大切にする」 そのスタンスこそがおもてなしだと教わりました。
 
こちらが良かれと思っていることが、果たして相手にとってはどうなのか?
その視点を持ち続けることもまた、接客者として不可欠だと思います。

メンバーの知恵と力を合わせ、パーフェクトを目指す

もしも、一人ではなく他に仲間がいる環境であるならば。
お客さまに満足していただくためには 「連携することの強み」 を理解しておくことが大事です。
 
どんなに優秀な人でもミスをすることはありますし、それぞれに得意分野が違います。
特に、人をまとめる立場にある方は、それを心得ておくだけで全然変わってきます。
 
一人一人の得意分野を見極め、そこを褒めて「ここは○○に任せたい」と頼ったり、「自分はここが苦手だからフォローをお願いしたい」と弱さを認めたり、「でも何かあった時には、必ず自分が守るから安心して仕事に臨んでほしい」と思いを伝えること。
 
そうして育まれた信頼関係のもと仕事をすることは、その空気感からお客さまにも「なんだかいい」が伝わります。
もちろん「めちゃくちゃいい」と言われたいけど、この 「なんだかいい」を安定させること が、実は最も重要なことだと私は思っています。
 
無題
 
ひさしぶりに取り出した当時のメモ。
私の先任ポリシーは、
 『4人の知恵と力を合わせてパーフェクトなフライトにする』 
必ずブリーフィングでは、この思いを伝えていました。
 
ソロプレーを磨きつつ、皆で創り上げていくというチーム精神こそが「感動を生む」と私は信じています。
 
この記事がどなたかの心に届き、何かのきっかけになればとても嬉しいです(^^)
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

この記事を書いた人

内田 明子

15年半の客室乗務員生活の中で得た、人と信頼関係を築くうえで大切なこと。自分を信じる心の育て方。お客さまとのエピソードや、部下・上司とのエピソード、時には夫婦のエピソードを交えながら人間関係がうまくいく秘訣を伝えていきます。

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